失われる恐怖

テープメディアは――正確にはカセットテープメディアは、痛みや汚れに強いメディアであった。表面は丈夫なカセットの鎧に包まれ、テープは切れても(一部欠損は出るものの)つなぐことも出来る。カビが生えても、クリーニングすればある程度は復活する。

 ところが、次世代を次いだメディアは、何ら身を守る物は持たない、裸の光学円盤メディアである。
 記録面が露出しているので、痛みや汚れに弱く、しかも1カ所読み込めなければそのダメージの箇所だけではなく、メディア1枚丸々パーになる可能性が高い。傷や汚れがなくても、数年後には読めなくなっているかもしれない。
 記録メディアとしてはきわめて脆弱である。

 ブルーレイともなると、その弱点はさらに顕著で、保護層が0.1mmしかない。研磨も出来ない薄さである。

 DVDもBDもカートリッジ付きのものが存在したが、いずれも淘汰されてしまった。

 よって、わたしのように鈍くさい人間などは戦々恐々である。
 DVDはTDKの「超硬」、太陽誘電の「トリプルガード」のおかげで、いまのところ大きな被害は出ていない。が、BDは太陽誘電が「トリプルガード」を出してくれていない。
 残った超硬と言えば、中国産である。

 可能な限りバックアップするしかないというのか。