プロレスビデオ オールカタログ

『プロレスビデオオールカタログ』(笠倉出版社、1995)

 タイトル通りの本である。廃盤になったビデオの情報やレビューも載っている上、ダビングサービスなども網羅しており、有用な内容といえる。

 団体別にみると発売数で他を圧倒しているのは新日本プロレスで、233本(厳密に言うと日本プロレス時代の猪木の試合もこの中に含まれている)。2位は全日本女子プロレスの133本。次いでJWPの69本。4位の全日本プロレスとリングスがともに53本となる。以下UWFインターナショナル35本、第2次UWF・LLPW34本、FMW・藤原組33本など。

 総じてU系や女子はビデオ化に熱心という印象を受ける。

 とにかく新日はビデオソフトの発売に熱心で、ビデオソフトが市場として成り立つか経たないかという時期から、一貫してビデオ化を推進している。
 特に猪木の名勝負ビデオは、手を変え品を変え装いを変え、同じものが何度も発売されたりしている特徴がある。
 ほかにも、ノーテレビものの闘魂ビデオシリーズや、テーマ別のダイジェストビデオなど驚くほどのラインナップで、これは今日に至るまで変わることがない。

 全女は1991年頃から急増している。
 クラッシュ引退後の観客激減を、ビデオ販売によって埋め合わせようとして、ビデオ化強化し、そのまま定着したと、個人的に推測している。

 歴史・実績のある老舗団体であるにもかかわらず、意外なほど少ないのが全日である。とくに往年のエース、馬場・鶴田の名勝負ビデオはそれぞれ5本しかなく、寂しいとしかいいようがない。なにか事情があるのかと勘ぐりたくなる。

 この本から16年以上が経った。
 発売本数1位は不動であろうが、2位以下はどうなっているのだろうかと思う。